顔面骨骨折

② 顔面骨骨折

顔面骨骨折について

このページでは、顔面骨骨折(顔の骨が折れるけが)について、起きる原因、症状、治療方法について説明します。

どんなときに起きるの?

顔面骨骨折は、その名の通り顔をぶつけた、転んだ時に起きる骨折です。
代表的な原因としては

  • 鼻をぶつけた
  • 転んで目や頬をぶつけた、下顎を打った
  • ボールが顔に当たった
時に起こります。

どんな症状があるの?

顔をぶつけた後、以下の症状がある時は骨折をしている可能性があります。

  • 鼻が曲がった
    鼻骨骨折が疑われます。
  • 物が二重に見える、目が反対側より落ちくぼんでいる
    眼窩底骨折が疑われます。
  • ぶつけた側の頬がしびれる、頬がへこんだ
    頬骨骨折が疑われます。
  • 口を開けると顎が痛い
    下顎骨骨折が疑われます。

いつまでに受診すればいいの?

骨折を放置していると、骨が間違った場所で固まってしまったり、
治療が難しくなります(陳旧性顔面骨骨折)。怪我をしてから2、3日以内に受診をしてください。

どんな治療をするの?

代表的な骨折について、詳しい治療法を説明します。

  • 鼻骨骨折

    早く治療するほど簡単な治療で済みます。大人の方であれば局所麻酔で30分ほどで治療ができます。鼻の骨が再度ずれないように、鼻の中にガーゼを詰めたり(内固定)、鼻にギブスを当てたり(外固定)します。内固定は1週間ほど、外固定は1ヶ月ほど継続します。 痛みが我慢できない場合や怪我をしてから時間が経っている場合には、別の日に全身麻酔の手術を計画します。

  • 眼窩底骨折

    入院して全身麻酔で治療を行います。目の下の骨の代わりに、人工のプレートを入れます。術後数日で退院可能です。しばらくは鼻をかまないようにしてもらいます(目の周りに空気がたまるため)。

  • 頬骨骨折

    入院して全身麻酔で治療を行います。折れてしまった頬の骨を正しい位置に戻して、人工のプレートで固定します。術後数日で退院可能です。

  • 下顎骨骨折

    入院して全身麻酔で治療を行います。折れてしまった下顎の骨を正しい位置に戻して、人工のプレートで固定します。上の歯と下の歯を固定して、かみ合わせをよくする治療(顎間固定)を行う場合もあります。口腔外科とも連携し治療します。

陳旧性顔面骨骨折について

顔面骨骨折の治療は原則として受傷後2週間から3週間以内に手術を行い、折れた骨をもとの位置に戻して固定します。しかしながら、生活の都合や病院のスケジュール、あるいは全身状態の悪化や骨折以外に優先される疾患の存在など、様々な理由で適切な時期に手術を受けることができなかった患者様も多くおられます。その場合、骨折部が適切な位置に整復されない状態で骨癒合が起き、変形治癒を起こします。このような変形治癒に際しては、外観上の変形や嚙み合わせの異常、眼球運動障害による視覚の異常、鼻閉といった様々な症状を引き起こすことがあり、必要に応じて修正手術を行います。手術は一度癒合した骨を再度切り離して元の位置に戻して固定する他、骨欠損の場合は体の他の部位から骨移植を行う場合もあります。
当院ではこのような手術も行っており、原則として全身麻酔で行います。手術後は出血や感染といった合併症がなくなり、ご自宅で傷の処置ができるようになったら退院としており、平均入院期間は1週間から2週間程度となっております。

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